ITパスポート技術要素

53 データベース

ITパスポート

 

データベース

大量のデータを効率的に蓄積・管理・検索できるようにした情報の集まり。

コンピュータ上で構造的に整理されている。

日々の業務データや顧客情報などを管理するのに使われる。

例:顧客の氏名や住所をまとめて保存する顧客データベース。

 

データベース管理システム(DBMS)

データベースを操作・管理するためのソフトウェア。

データの追加、更新、削除、検索などの機能を提供する。

信頼性やセキュリティも確保する役割がある。

例:MySQL や Oracle Database は代表的な DBMS。

 

RDBMS

関係データベース管理システムの略。

データを表形式(テーブル)で管理するタイプのDBMS。

複数の表を結びつけて扱うことができる。

例:顧客情報と注文情報をテーブルとして関連付けて管理する。

 

SQL(Structured Query Language)

データベースを操作するための専用の言語。

検索、追加、更新、削除などを簡潔に記述できる。

RDBMSで標準的に使われている。

例:「SELECT * FROM 顧客 WHERE 年齢 > 30」で30歳以上の顧客を検索する。

 

データクレンジング

不正確・重複・欠損のあるデータを修正・整備する作業。

分析や活用に適した状態にデータを整える。

データの質を高めるために重要。

例:「東京」「とうきょう」などの表記揺れを統一する。

 

E-R図

エンティティ(実体)とリレーション(関係)を表す図で、データベース設計に使われる。

システムに登場する要素とその関係性を視覚的に整理する。

データ構造の把握や正規化に役立つ。

例:「顧客」と「注文」が「1対多」で結ばれるE-R図。

 

コード設計

データを効率的に扱うために、ルールに従ってコードを割り当てる作業。

検索性や誤入力防止などを考慮して設計される。

意味のあるコードと、意味を持たせないランダムコードがある。

例:「01:男性」「02:女性」のように性別をコードで管理する。

 

フィールド(項目)

テーブルの1列分のデータで、データの属性を表す単位。

「氏名」「年齢」などの項目にあたる。

レコードの中の1つ1つのデータを指す。

例:氏名フィールドには「山田太郎」が入る。

 

レコード

テーブルの1行分にあたるデータの集まり。

1つのまとまりとして扱われ、フィールドが集まって構成される。

1件の情報が1レコードとなる。

例:ある顧客の情報一式が1レコード。

 

ファイル

複数のレコードをまとめたデータの集合体。

コンピュータでは、ファイル単位で保存・管理される。

昔のデータベースでは、1ファイル=1テーブルだった。

例:「顧客データファイル」にはすべての顧客情報が含まれている。

 

テーブル(表)

行(レコード)と列(フィールド)からなるデータの集合。

RDBMSでは基本的なデータ管理単位。

データベース内に複数のテーブルを作って使う。

例:「商品テーブル」や「注文テーブル」などがある。

 

主キー

各レコードを一意に識別するための項目。

重複せず、必ず値があることが求められる。

データの整合性を保つ重要なキー。

例:「顧客ID」が主キーとして使われる。

 

外部キー

他のテーブルの主キーを参照する項目。

テーブル間の関係を構築するのに使われる。

参照整合性を保つための重要な要素。

例:「注文テーブル」の「顧客ID」は「顧客テーブル」の外部キー。

 

インデックス

検索を高速化するために作成されるデータの見出し。

本の索引のように、データの位置をすばやく特定できる。

検索性能の向上に大きく貢献する。

例:「氏名」フィールドにインデックスを設定して検索を高速化。

 

データの正規化

データの重複や矛盾を防ぐために、表を細かく分けて整理する手法。

効率的で整合性の高いデータ構造を作る。

第1正規形から第3正規形まで段階的に行う。

例:住所情報を別テーブルに分離して重複をなくす。

 

選択

テーブルから特定の条件に合うレコードだけを取り出す操作。

SQLでは「WHERE」句を使って実現する。

情報の絞り込みに使われる。

例:「年齢が20歳以上」の人を選択する。

 

射影

テーブルから特定のフィールドだけを取り出す操作。

必要な列だけを抜き出すことでデータを整理できる。

SQLでは「SELECT」で実現される。

例:「氏名」と「電話番号」だけを射影する。

 

結合

複数のテーブルをキーで結びつけて1つの表として扱う操作。

RDBMSの基本的な機能の1つ。

外部キーと主キーの関係で結合することが多い。

例:「顧客」と「注文」を結合して、注文者の氏名を表示する。

 

トランザクション

複数の処理を1つのまとまりとして扱う単位。

途中で失敗しても、全体を元に戻すことができる。

処理の一貫性と信頼性を保つために必要。

例:銀行振込で、引き落としと入金を1つのトランザクションとする。

 

ACID特性

トランザクションの4つの重要な性質。

原子性(Atomicity)、一貫性(Consistency)、独立性(Isolation)、耐久性(Durability)。

これにより、信頼性のある処理が保証される。

例:送金処理が中断しても、全体をロールバックして整合性を保つ。

 

デッドロック

複数の処理が互いに相手のロックを待ち続けてしまい、進まなくなる状態。

同時アクセスによる競合で発生する。

解消には順序制御やタイムアウト処理が必要。

例:AがBの資源を待ち、BがAの資源を待って止まる。

 

2相コミットメント

分散トランザクションで一貫性を保つための処理手順。

各参加ノードに「準備>実行」の2段階で確認する。

障害発生時にも整合性を維持するために使われる。

例:複数サーバ間でデータの更新を同時に行うとき。

 

リカバリ

障害発生後にデータベースを正常な状態に戻す処理。

バックアップやログを用いて復旧する。

ACID特性の「耐久性」を支える技術。

例:停電後に保存されていなかった処理を復元する。

 

チェックポイント

一定間隔でデータの状態を記録するポイント。

障害時に、どこまでの処理が確定しているかを示す。

リカバリ時の処理範囲を絞るのに役立つ。

例:ゲームのセーブポイントのような役割。

 

ロールバック(バックワードリカバリ)

障害発生前の状態まで処理を巻き戻して復旧する方法。

未完了の処理をすべて取り消す。

トランザクションの原子性を保証する。

例:銀行振込中にエラーが発生し、送金前の状態に戻す。

 

ロールフォワード(フォワードリカバリ)

バックアップ後のログを順に適用して、最新状態に復元する方法。

データの損失を最小限に抑える。

ログの整合性と完全性が重要となる。

例:昨日のバックアップに、今日の更新ログを再適用する。

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