システム化計画
業務の効率化や改善のために、どのような情報システムを導入するかを計画すること。
目的や対象範囲、スケジュール、費用などを明確にする。
上流工程として、プロジェクトの成功を左右する重要な段階。
例:学校の出欠管理を電子化するためのシステム化計画を立てる。
スケジュール
プロジェクト全体の作業内容と実施時期を示した計画表。
いつ、誰が、何を行うかを明確にする。
遅延や手戻りを防ぎ、円滑な進行を図るために必要。
例:要件定義を1か月、開発を3か月とするスケジュールを作成する。
体制
プロジェクトに関わるメンバーの役割や分担、組織構成のこと。
責任者、開発者、利用者代表などの関係者を明確にする。
適切な体制が、プロジェクトの品質や効率に大きく影響する。
例:システム開発において、開発チームと利用部門からの代表を配置する。
リスク分析
プロジェクトに影響を与える可能性のある問題を洗い出し、対応策を考えること。
発生確率や影響度を評価して、優先順位をつける。
事前にリスクを把握しておくことで、被害を最小限に抑えられる。
例:人員不足や納期遅延のリスクを分析し、対策を立てる。
費用対効果
導入にかかるコストと、それによって得られる効果のバランス。
コストに見合う成果があるかを判断するための指標。
意思決定や投資判断の根拠となる。
例:100万円かけて導入するシステムで年間300時間の作業時間削減を見込む。
適用範囲
システム化の対象となる業務や部門の範囲。
明確にすることで、計画や設計に漏れが出ないようにする。
業務の境界や連携も考慮する必要がある。
例:出席管理と成績管理を対象とし、予算管理は除外する。
企画プロセス
システム導入を検討するための一連の活動の流れ。
課題の把握、要望の整理、実現方法の検討などを含む。
実際の開発前に、方向性を固める重要な段階。
例:業務効率の課題を整理し、改善策としてシステム化を検討する。
要件定義
システムに必要な機能や性能を明確にする工程。
業務の流れを整理し、どのような動作が必要かを具体的に記述する。
この内容が開発やテストの基準となる。
例:利用者がログインして予約ができる仕組みを要件として定義する。
利用者の要求の調査
システムの利用者が何を求めているかを聞き取る活動。
インタビューやアンケートなどでニーズを把握する。
的確な要件定義のために欠かせないステップ。
例:現場の職員に現在の業務の不便さを聞き取りする。
調査内容の分析
集めた利用者の要望や現状の課題を整理・分類する作業。
本質的な問題点や改善ポイントを見極める。
単なる要望の羅列にとどまらず、構造的な理解を図る。
例:重複する作業が多い、情報が分散しているなどの共通課題を抽出する。
現行業務の分析
現在の業務の流れや使われている手段を詳しく調べる。
改善点や非効率な部分を発見する目的がある。
業務プロセスの可視化が重要になる。
例:紙の申請書が手作業で処理されている現状を分析する。
業務要件の定義
業務を効率的に行うために必要な機能や手続きの内容を明確にする。
現場の視点から必要な作業やデータのやり取りを整理する。
システムに求められる基本的な役割を定める段階。
例:予約管理では、日付選択、確認通知、取消機能が必要とされる。
機能要件・非機能要件の定義
システムが「何をするか」(機能)と「どのように動作するか」(性能など)を定めること。
機能要件は具体的な操作や処理、非機能要件は速度・安全性・拡張性など。
両方を定義することで、実用的なシステムになる。
例:機能要件→検索機能。非機能要件→応答時間1秒以内。
要件の合意
開発者と利用者の間で、定義した要件に納得・了承を得ること。
後のトラブルを防ぎ、開発を円滑に進めるために重要。
文書で合意を残すのが一般的。
例:要件定義書に双方が署名して正式に合意とする。
調達
必要なソフトウェアや機器、サービスなどを外部から購入・契約すること。
価格だけでなく、品質やサポート内容なども比較する。
公共機関や企業では、手続きの透明性も重視される。
例:サーバーやソフトウェアを複数社から見積もって選定する。
情報提供依頼(RFI:Request For Information)
業者に対して、商品やサービスに関する情報を求める文書。
導入の初期段階で、どのような選択肢があるかを把握するために使う。
価格、性能、実績などの資料を収集する。
例:複数のシステムベンダーにRFIを送り、候補を絞り込む。
提案依頼書(RFP:Request For Proposal)
業者に対して、具体的な提案を求める文書。
要件、条件、スケジュールなどを記載し、それに基づいた提案を受ける。
調達の正式なスタートとして使われる。
例:導入したいシステムの機能や仕様を明記し、ベンダーから提案を募る。
提案書
顧客の課題に対して、解決策やシステム構成、導入効果などを示した文書。
導入するシステムの内容やスケジュール、期待される効果などをわかりやすく説明する。
調達先の選定や契約の判断材料として活用される。
例:業務効率化のためのクラウドシステムの導入提案書を提出する。
見積書
提供する製品やサービスの内容と、その価格をまとめた文書。
単価・数量・合計金額のほか、納期や有効期限なども記載される。
契約前の重要な資料であり、価格交渉や比較検討に使われる。
例:システム開発費用として500万円の見積書を顧客に提示する。
グリーン調達
環境に配慮した製品やサービスを優先的に購入する仕組み。
省エネ、リサイクル、廃棄物削減などが評価基準となる。
企業の社会的責任(CSR)の一環としても重要。
例:環境認証を受けた省電力型パソコンを優先的に導入する。