パレート図
項目ごとの重要度や影響度を棒グラフと折れ線で表した図。
「少数の重要な要素が全体に大きな影響を与える」というパレートの法則に基づく。
主に不良原因や売上要因の分析に使われる。
例:クレーム件数の多い順に棒グラフで並べて、重点改善項目を特定。
ABC分析
在庫や商品などを重要度によってA・B・Cの3ランクに分類する分析手法。
Aは重要、Cは重要度が低いとし、重点管理すべき対象を絞り込む。
売上や利益への寄与度を基準に使われることが多い。
例:売上の上位20%の商品をAランクとして集中管理。
特性要因図(フィッシュボーンチャート)
問題の原因を魚の骨のような形で整理する図。
「なぜそうなったか」を要因ごとに分類し、体系的に整理できる。
品質管理や問題解決の初期分析によく使われる。
例:納期遅れの原因を人・方法・設備・環境の視点から洗い出す。
管理図
製品や工程の状態が安定しているかを時系列で監視するグラフ。
上限・下限の管理線を設けて、基準内に収まっているかを確認する。
品質管理や工程管理に使われる代表的なツール。
例:製品の寸法データを毎日測定し、ばらつきが異常かどうかを判断。
系統図
目的と手段、原因と結果などを段階的につないで表す図。
複雑な関係を整理し、全体構造を見える化する。
問題解決や計画立案の構想段階で役立つ。
例:売上向上のために、広告強化・接客改善などの手段を枝分かれで整理。
PERT(アローダイアグラム)
作業の流れと順序、所要時間を矢印で示した図。
プロジェクトの全体像を可視化し、進行管理に使われる。
遅延リスクや工程の依存関係が分かりやすくなる。
例:新製品の開発工程を図にして、各工程の関係と所要時間を整理。
クリティカルパス分析
PERT図で特定される、最も時間がかかる経路を分析する方法。
この経路が遅れると、プロジェクト全体が遅れるため重点管理が必要。
納期管理やボトルネックの特定に使われる。
例:設計→試作→評価の流れが最長のため、重点的に進捗確認を行う。
最小二乗法
誤差の二乗の合計が最も小さくなるような直線をデータに当てはめる手法。
回帰分析の基本的な考え方で、予測や傾向の把握に用いられる。
観測値と理論値の差を最小化する数理的手法。
例:売上と広告費の関係に最もよく合う直線を引いて分析。
回帰分析
ある変数が他の変数にどう影響されるかを数式で表す手法。
「原因と結果」の関係性をモデル化し、将来の予測や傾向把握に使う。
単回帰、重回帰など分析の精度に応じた種類がある。
例:広告費が1万円増えると売上がどれだけ増えるかを数式で予測。
相関と因果
2つの変数が一緒に変化することを相関、片方がもう片方に影響することを因果という。
相関があっても必ず因果があるとは限らない。
データ分析では、この違いを見極めることが重要。
例:アイス販売と熱中症の発生には相関があるが、直接の因果関係ではない。
擬似相関
見かけ上は強い相関があるが、実際には関係がない状態。
第3の要因が両方に影響していることで、関係があるように見えてしまう。
因果関係を誤って解釈すると判断ミスにつながる。
例:アイス販売と水難事故に強い相関があるが、実際は「暑さ」が共通要因。