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19 労働関連法規

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労働契約法

労働者と会社の間の契約に関する基本的なルールを定めた法律。

雇用関係のトラブルを防ぎ、公正な契約関係を築くことを目的とする。

労働条件は書面で明示することが原則とされる。

例:契約内容と違う業務を命じられたときに労働契約法で保護される。

 

労働基準法

労働時間、休日、賃金などの最低基準を定めた法律。

すべての労働者を対象とし、これを下回る契約は無効となる。

労働条件の基本ルールを守るための基盤。

例:1日8時間、週40時間を超える労働は原則として残業扱い。

 

労働者派遣法

派遣労働者の保護と派遣先企業との関係を定めた法律。

労働者、派遣会社、派遣先の三者関係を規律する。

派遣期間や待遇の均等・均衡などが定められている。

例:派遣社員として働けるのは原則として同一部署で最長3年。

 

労働安全衛生法

職場の安全と健康を守るための法律。

企業は労働者が安心して働けるように環境を整える義務がある。

ストレスチェックや安全教育なども含まれる。

例:高所作業時にヘルメットの着用を義務づける。

 

労働施策総合推進法(パワハラ防止法)

パワーハラスメントを防止するための企業の義務を定めた法律。

正式には労働施策総合推進法の一部改正によって成立。

相談窓口の設置や再発防止策などの体制整備が求められる。

例:上司からの継続的な暴言を防ぐ社内制度を整備する。

 

36協定(サブロク協定)

法定労働時間を超える残業や休日労働をさせるための労使協定。

労働基準法36条に基づき、会社と労働者代表との間で締結される。

この協定がないと時間外労働は違法となる。

例:月45時間までの残業を認める36協定を締結する。

 

フレックスタイム制

働く時間帯を労働者が自由に決められる制度。

一定の総労働時間を満たせば、出退勤時間を柔軟に設定できる。

コアタイム(必ず就業する時間帯)を設けることもある。

例:朝10時に出勤して夜7時に退勤するなど、生活に合わせた勤務。

 

裁量労働制

仕事の成果に基づいて評価され、労働時間にかかわらず一定の時間を働いたとみなす制度。

実際の勤務時間にかかわらず、一定の時間働いたとみなす。

専門職や企画業務などで導入される。

例:研究開発職に対して1日8時間働いたと見なす契約を結ぶ。

 

最低賃金

労働者に支払う賃金の最低限の金額を定めた制度。

都道府県ごとに異なる金額が設定されている。

使用者はこの金額以上を支払わなければならない。

例:時給1000円の地域では、時給950円の契約は違法。

 

守秘義務契約(NDA)

業務上知り得た秘密情報を外部に漏らさないことを約束する契約。

取引先との間や従業員との間で結ばれることが多い。

ビジネスの信頼性や安全性を保つために重要。

例:開発中の商品情報を口外しないという契約を結ぶ。

 

雇用契約

会社と労働者が結ぶ、働くことに関する基本的な契約。

労働時間、賃金、仕事内容などが明記される。

労働契約法や労働基準法のルールに基づく。

例:月給25万円、週5日勤務という条件で雇用契約を締結する。

 

請負契約

仕事の完成を目的として、成果に対して報酬を支払う契約。

労働ではなく「仕事の成果」に対する契約である点が特徴。

雇用契約とは異なり、指揮命令は受けない。

例:ホームページ制作を完成させることに対して報酬を支払う契約。

 

派遣契約

派遣会社が労働者を派遣先企業に派遣する契約。

派遣労働者は派遣先の指揮命令を受けて働く。

派遣元と派遣先の間で契約が結ばれる。

例:派遣会社が契約しているスタッフを企業の事務職に派遣する。

 

委任契約

ある業務の遂行を依頼し、その遂行自体に対して報酬を支払う契約。

法律行為や専門知識を活かした業務に多く見られる。

成果物の完成が義務ではない点が請負契約と異なる。

例:税理士に確定申告の手続きを依頼する契約。

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