ITパスポートコンピュータ

46 システムの評価指数

ITパスポート

 

レスポンスタイム

利用者が入力してから、システムが応答するまでにかかる時間。

短いほど快適に利用できると感じられる。

Webサービスや業務システムの性能評価に使われる。

例:検索ボタンを押してから結果が表示されるまでの時間。

 

ベンチマーク

システムや装置の性能を評価・比較するための基準となる処理や指標。

一定の条件で実行し、速度や効率を数値で示す。

新しい機器やソフトの選定に使われる。

例:CPUの処理速度を比較するベンチマークテスト。

 

稼働率

システムや機器が正常に稼働している時間の割合。

高いほど安定性や信頼性が高いと評価される。

可用性の指標として重要。

例:月間で99.9%の稼働率を維持するWebサーバ。

 

故障率

ある期間において、装置やシステムが故障する割合。

低いほど安定したシステムとされる。

MTBFと組み合わせて評価されることも多い。

例:1か月に2回故障した場合の故障率を算出する。

 

MTBF(Mean Time Between Failures)

故障と故障の間の平均稼働時間。

数値が大きいほど、壊れにくい製品とされる。

システムの信頼性を評価する重要な指標。

例:MTBFが10,000時間のハードディスク。

 

MTTR(Mean Time To Repair)

故障から復旧までにかかる平均修復時間。

短いほど迅速な復旧体制が整っているとされる。

MTBFとあわせて可用性を計算する際にも用いられる。

例:サーバ障害のMTTRが30分以内に設定されている。

 

デュアルシステム

2つの同一構成のシステムを並行運用して、いずれかに障害が起きても処理を継続できる方式。

同時に同じ処理を行い、信頼性を高める。

金融機関などで使用される高信頼構成。

例:取引データを2台のシステムで同時に処理する。

 

デュプレックスシステム

メインとスタンバイの2台構成で、通常はメインのみ稼働する方式。

メインが故障した際にスタンバイが自動で引き継ぐ。

コストを抑えながら可用性を高める構成。

例:業務サーバのバックアップとしてスタンバイ機を用意する。

 

フェールセーフ

故障や誤操作が起きても、安全な状態を維持する設計思想。

完全に動かなくなることで事故を防ぐ場合もある。

人命や設備を守ることを重視する。

例:異常が起きたら自動的に機械を停止させる装置。

 

フォールトトレラント

故障が起きても、システム全体として動作を継続できる仕組み。

冗長構成により、一部が壊れても影響を最小限に抑える。

高可用性が求められるシステムに適用される。

例:片方のCPUが故障しても、もう一方で処理を続行する。

 

フールプルーフ

利用者の誤操作があっても、安全に使用できる設計。

人間のミスを前提に、安全側に倒す工夫がされている。

ユーザーフレンドリーな設計とも関係が深い。

例:プリンタのカバーを開けたままでは印刷できない。

 

コールドスタンバイ

予備システムを用意しておき、障害発生時に起動する方式。

通常は電源が切られており、切り替えには時間がかかる。

導入コストが低く、重要性の低いシステムで使われる。

例:古いPCをコールドスタンバイとして保管しておく。

 

ホットスタンバイ

予備システムを常に起動状態で待機させ、障害時にすぐ切り替えられる方式。

切り替え時間が短く、業務の中断を最小限にできる。

高い可用性が求められるシステムで使用される。

例:サーバが故障した際に即座にスタンバイ機に切り替える。

 

初期コスト

システムや設備を導入する際にかかる費用。

ハードウェア、ソフトウェア、設置作業などが含まれる。

導入時に一時的に大きな支出が発生する。

例:新しいネットワーク機器の購入にかかる費用。

 

運用コスト

システムの稼働・保守に継続的にかかる費用。

電気代、サポート契約、人件費などが含まれる。

長期的なコストとして考慮する必要がある。

例:毎月のクラウドサービス利用料。

 

TCO(Total Cost of Ownership)

システムの導入から廃棄までにかかる総費用(総保有コスト)。

初期コストだけでなく、運用・保守・教育なども含めて評価する。

システム選定の指標として用いられる。

例:購入価格が安くても、TCOが高い場合は長期的に割高になる。

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