集中処理
すべての情報処理を1台のコンピュータ(中央処理装置)でまとめて行う方式。
管理がしやすく、データの一元化が可能。
一方で処理の集中による負荷が高くなることがある。
例:大型のメインフレームで全社の業務を処理する。
分散処理
複数のコンピュータに処理を分担させて同時に実行する方式。
処理能力を分散し、障害への耐性やスケーラビリティを高めることができる。
ネットワーク越しでも協調して動作する。
例:会員情報を複数のサーバーに分散して処理する。
並列処理
複数の処理を同時に実行する方式。
CPUのコアやスレッドを活用して高速化を図る。
大量データの処理や科学技術計算などで使われる。
例:画像処理を複数のCPUコアで同時に実行して高速化する。
レプリケーション
データベースやファイルを別の場所にリアルタイムまたは定期的に複製する技術。
障害時の復旧や読み取り専用処理の負荷分散に役立つ。
複数拠点で同じデータを保持することができる。
例:本社と支店で同じ顧客データを保持するためにレプリケーションを使う。
デュアルシステム
2つの同一構成のシステムを常に同時に動かし、どちらかに障害が発生しても処理を継続できる方式。
信頼性が高く、金融や航空などの分野で使われる。
処理結果を常時比較して整合性を保つこともある。
例:ATMのバックエンドシステムでデュアルシステムを採用する。
デュプレックスシステム
メインとスタンバイの2台のコンピュータを用意し、通常はメイン側のみ稼働する構成。
メインが故障したときにスタンバイに自動的に切り替わる。
コストを抑えつつ可用性を高める方式。
例:基幹業務システムで万一に備えてスタンバイ機を用意する。
クライアントサーバシステム
クライアント(利用者側)とサーバ(提供側)が役割分担して処理を行うシステム構成。
処理やデータの集中管理がしやすく、セキュリティも確保しやすい。
多くの業務システムで採用されている基本形。
例:ファイルサーバにアクセスして文書を保存・取得する。
仮想化(ホスト型)
既存のOS上に仮想マシンを作成する方式。
ホストOSの上に仮想化ソフト(VMware Workstationなど)を導入して動作させる。
個人向けやテスト環境でよく使われる。
例:Windows上にLinuxの仮想マシンを作成する。
仮想化(ハイパーバイザー型)
物理マシン上に直接仮想化ソフトを動作させて、複数の仮想マシンを構築する方式。
高いパフォーマンスと安定性が求められるサーバ用途で使われる。
OSに依存せず効率よくリソースを分配できる。
例:データセンターで複数の仮想サーバをハイパーバイザー型で運用する。
仮想化(コンテナ型)
アプリケーションと必要な環境をパッケージ化し、軽量に分離して実行する方式。
仮想マシンよりも起動が速く、リソース消費が少ない。
Dockerが代表的なツール。
例:複数のWebサービスを1台のサーバで独立して動かす。
VM(Virtual Machine)
物理的なコンピュータ上で仮想的に動作するソフトウェアのコンピュータ(マシン)。
独立したOSやアプリケーションをインストールして使える。
物理マシンのリソースを分割して効率的に活用できる。
例:1台のサーバ上に複数の仮想マシンを立ち上げて運用する。
VDI(Virtual Desktop Infrastructure)
仮想化されたデスクトップ環境を、ネットワーク経由で利用する仕組み。
クライアント端末にはデータを残さず、セキュリティを強化できる。
場所にとらわれず業務ができる利点がある。
例:自宅のPCから会社のデスクトップ環境にアクセスして仕事をする。
Webシステム
Webブラウザを使って利用するシステムで、インターネットや社内ネットワーク上に構築される。
インストール不要で、複数端末から利用できる。
利便性が高く、企業や学校で広く使われている。
例:出欠管理や成績入力をWebブラウザで行う学校システム。
ピアツーピア
ネットワーク上の端末同士が対等に通信・共有する方式。
サーバを介さず、直接データのやりとりが可能。
小規模な共有や分散処理に適している。
例:家庭内の2台のパソコン間でファイルを共有する。
クラスタ
複数のコンピュータを1つのシステムのように動作させる構成。
処理性能や信頼性を向上させる目的で使われる。
負荷分散や障害時の冗長構成にも対応可能。
例:検索エンジンの高速処理のためにクラスタ構成をとる。
シンクライアント
最低限の機能しか持たない端末から、サーバ上のアプリやデータにアクセスする方式。
端末にデータを残さないため、セキュリティ性が高い。
運用管理の集中化も実現できる。
例:オフィスの端末はすべてシンクライアントで運用されている。
NAS
ネットワーク接続型のファイルサーバ(Network Attached Storage)。
複数の端末からファイルを共有・保存できる。
小規模なオフィスや家庭でも導入が可能。
例:全社員がアクセス可能な共有フォルダをNASで管理する。
RAID
複数のハードディスクを1つの装置として扱い、信頼性や速度を向上させる技術。
冗長性の確保や高速化が可能で、RAIDレベルに応じた構成がある。
サーバやストレージで広く利用されている。
例:RAID1でミラーリング構成を組み、万一の故障に備える。
マイグレーション
システムやデータを、別の環境に移行すること。
OSの変更やクラウド移行などに伴う作業を含む。
互換性やデータ整合性の確認が重要。
例:旧システムから新しいクラウドシステムへマイグレーションを実施する。
ライブマイグレーション
仮想マシンを停止せずに、別のサーバへ移動させる技術。
業務を中断せずに、障害回避や負荷分散ができる。
仮想化環境での可用性確保に有効。
例:稼働中の仮想マシンを他のサーバに移して、メンテナンスを行う。
対話型処理
利用者が入力を行うと、すぐにシステムが応答する処理方式。
対話形式で処理が進み、使い勝手がよい。
業務システムや検索サービスなどに使われる。
例:画面に表示された指示に従って入力し、結果がすぐに返される。
リアルタイム処理
一定時間内に即座に処理と応答を行う方式。
遅れが許されない場面で使われる。
交通制御、医療機器、ゲームなどで活用される。
例:電車の制御システムが、乗客のブレーキ操作に即座に反応する。
バッチ処理
あらかじめまとめた処理を、一括して自動的に実行する方式。
大量データの集計や夜間処理などに適している。
処理速度や効率を重視する業務で使われる。
例:毎晩1時に売上データを集計して請求書を作成する。